中小の介護事業者・障害福祉事業者のための資金繰り解決Navi

就労継続支援B型の資金調達

目次

就労継続支援B型とは

就労継続支援B型とは、障害や難病などにより一般企業に就職することに不安がある・就職することが困難といった方に、生産活動の場を提供するサービスです。

国が定めた障害者総合支援法におけるサービスです。対象者が事業所を利用することで就労の機会を得られるようにすることが目的。また、就労の機会を得ることで就労に必要な能力の育成につながります。

就労継続支援B型を利用できる対象者は、「障害などによって一般就労を行うことは難しいが、働く意欲はある」「生産活動などを通して働く力の向上や維持が期待できる」方々です。

たとえば「一般企業で働いていたものの、心身等の事情により働き続けることが難しくなった」という方のほか、「一般就労や就労継続支援A型での就労ができるよう、まずはスキルを習得したい」という方も対象です。

就労継続支援B型・A型・就労移行支援との違い

障害のある方向けのサービスとして就労継続支援A型がありますが、こちらは雇用契約を結ぶのが特徴。就労継続支援B型では雇用契約を結ばず、利用者は事業所で生産活動を行って工賃を得る仕組みです。また、就労継続支援A型では利用者の年齢を原則65歳までとしていますが、就労継続支援B型では年齢制限を設けていません。

そのほかにも、就労移行支援というサービスもあります。就労移行支援は一般就労や職場定着に向けた支援です。障害等があっても一般企業への就職が見込める方を対象としています。また、就労移行支援には賃金や工賃が発生せず、原則最大2年間までの利用という決まりもあります。

就労継続支援B型の開業資金

就労継続支援B型の事業所を開業するのに必要な資金の相場は、300万円ほどだといわれています。具体的には、以下の費用がかかります。

  • 法人設立の申請費用
    定款認証費用や登録免許税など
  • 物件取得費用
    物件を借りる際の敷金や仲介手数料、家賃、保険料、駐車場代など
  • 人材採用費用
    人件費や求人広告費
  • 物品購入費用
    パソコンやデスク、コピー用品、収納用品など
  • 電気・水道・ガス
  • 通信回線
    電話やインターネット回線の導入にかかる契約料や通信料など
  • 設備費用
    生産活動に必要な設備の導入費用、制服など

また、送迎や生産活動に必要な場合は車両費用もかかります。

※参照元:LITALICO仕事ナビ(https://snabi-biz.jp/articles/6)

就労継続支援B型の運転資金

開業後には、家賃や人件費、光熱費などのランニングコストがかかります。1ヵ月あたりのランニングコストの目安は各事業所によって異なるものの、およそ120万~150万円かかると考えておいた方が良いでしょう。

また、開業から2ヵ月ほどは赤字になることが予想されます。利用者の生産活動によって得た利益は工賃として支払わなければならないため、運転資金に回せるのは障害福祉サービスの報酬による売上です。

しかし、障害福祉サービスによる報酬が入金されるのはサービス提供月の翌々月。そのため、開業後に安定した運営ができるよう、3~6ヵ月分のランニングコストに充てる資金を用意しておく必要があります。

※参照元:LITALICO仕事ナビ(https://snabi-biz.jp/articles/6)

就労継続支援B型が利用できる補助金・支援金

新創業融資制度

無担保・無保証人で、新事業の設備資金や運転資金を借りられる制度です。融資限度額は3,000万円(うち、運転資金1,500万円)。

対象者の要件は、「新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方」です。また、創業時において、創業資金総額の10分の1以上の自己資金(事業に使用される予定の資金)を確認できることも要件としてあります。

※参照元:日本政策金融金庫「新創業融資制度」(https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinsogyo_m.html)

ソーシャルビジネス支援資金

NPO法人や、保育サービス事業・介護サービス事業・社会的課題の解決を目的とする事業などを営む方を対象にした融資制度です。事業を行うために必要な設備資金や運転資金として、最大7,200万円(うち、運転資金4,800万円)まで融資可能。返済期間は設備資金が20年以内(据置期間2年以内)、運転資金が7年以内(据置期間2年以内)となっています。

※参照元:日本政策金融金庫「ソーシャルビジネス支援資金」(https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/socialbusiness.html)

福祉医療機構の福祉貸付事業

福祉医療機構が行う福祉貸付事業では、特別養護老人ホームや障害福祉サービス、保育所を対象に建築資金や設備備品整備資金、土地取得資金などを融資しています。利率は金融情勢によって異なり、貸付契約10年経過ごとに金利が見直されるシステムです。

また、融資限度額は「基準事業費より法的・制度的補助金等を控除した金額に融資率(施設・事業により80%、75%、70%の場合あり)を乗じた金額」となっています。

※参照元:独立行政法人福祉医療機構「福祉貸付事業_融資制度のあらまし」(https://www.wam.go.jp/hp/guide-fukushikashitsuke-outline-tabid-149/)

就労継続支援B型で利益を出すために必要なこと

福祉サービスを提供する事業所が安定した運営を続けていくためには、利益が必要です。利益を上げるためには、障害福祉サービスの報酬をアップさせることがポイントになってきます。

障害福祉サービスの報酬は「基本報酬」「加算」「減算」によって構成されています。事業所は利用者と利用契約を結んでサービスを提供することで報酬を受け取れますが、報酬のほとんどは国民健康保険団体連合会(国保連)から支払われます。

そのため、基本報酬と加算を増やし、減算がないように経営することが大切です。

就労継続支援B型の収入項目

主な収入項目として「障害福祉サービスの報酬」と「生産活動による収入」があります。

生産活動による収入は、経費を引いたのち、残りはすべて利用者へ工賃として支払わなければなりません。そのため、生産活動による収入は事業所の手元には残らないと考えるべきです。

障害福祉サービスの報酬では、基本報酬が大部分を占めます。就労継続支援B型の事業所が1人の利用者に1日サービスを提供するごとに得られるものです。別途、加算が適用されます。加算にはさまざまな種類があり、たとえば初期加算や欠席時対応加算、福祉専門職員配置等加算、目標工賃達成指導員配置加算などが加算の一例です。

また、運営や設備、人員などにおいて指定された基準を満たさない場合は、減算が適用されます。減算されると報酬が大きくダウンするため、注意が必要です。

就労継続支援B型の支出項目

就労継続支援B型の事業所ではさまざまな支出があります。たとえば「人件費」「事業所の賃借料」「消耗品費」「水道光熱費」「教材費」などは障害福祉サービスの報酬から支払います。

一方「利用者の工賃」「生産活動にかかる経費」は生産活動の収入から支払う仕組みです。

なお、利用者の工賃では最低賃金が適応されないため、工賃規程などのルールに沿って支払う必要があります。給付費から工賃を支払うことはできません。平均工賃が月額3,000円を下回ってはならないとの決まりがあります。

就労継続支援B型の開業後に資金が足りなくなったら

「就労継続支援B型の事業所を開業したが、資金が足りなくなった」という場合、銀行の融資などを利用するのは難しい可能性があります。助成金や補助金を利用できないケースもあるでしょう。

開業後に資金が不足した場合、ファクタリングの利用も検討できます。ファクタリングを利用すれば、ファクタリング業者が国保連への請求を買い取ってくれます。数営業日での資金化は可能です。報酬が入金されるまでには時間がかかるため、とくに開業して間もない頃はファクタリングでの資金調達も検討してみましょう。

Selection
資金繰りにお困りの中小介護事業者に
ローンorファクタリング業者3選

銀行融資を受けられない中小の介護事業者におすすめなのが介護報酬担保ローンと介護ファクタリングを利用した資金調達方法。それぞれ目的に合ったおすすめの会社をご紹介します。

ローン会社
お探しの方はこちら
ファクタリング会社をお探しの方はこちら
最大4ヵ月分の融資が可能

AGメディカル

税金未納、赤字決算でも融資可能
医療・介護業界向け専門の融資会社

AGメディカル
引用元:AGメディカル
https://www.agmedical.co.jp/borrow/products/welfare/
ローンの概要
  • 融資額:100万円~10億円
  • 返済方法:元金一括返済
         元利均等返済
  • 融資のスピード:最短3日
  • 保証人:原則不要(※1)
  • 契約利率(年):3.5%~15.0%
  • 対応エリア:全国
自由返済にも対応

栄光商事

迅速かつ細やかなサービス
自由返済にも対応

栄光商事
引用元:栄光商事
https://www.eikou-tegata.com/
ローンの概要
  • 融資額:100万円~5,000万円
  • 返済方法:一括・元利均等
        元金均等・自由返済
  • 融資のスピード:最短2日
  • 保証人:保証人付(法人の代表者)
  • 契約利率(年):8.0%~15.0%
  • 対応エリア:一部地域対応不可
利率上限の低さが特徴

クレイリッシュ

新規融資の場合は最短で3日、
利率上限13.70%

クレイリッシュ
引用元:クレイリッシュ
https://901901.jp/
ローンの概要
  • 融資額:100万円~1億円
  • 返済方法:元利均等
         元利均等最終バルーン
  • 融資のスピード:最短3日(※2)
  • 保証人:代表者の保証が必要
  • 契約利率(年):8.80%~13.70 %
  • 対応エリア:公式HPに記載なし

※3社の選出基準について
「介護報酬担保ローン」Googleと検索し上位表示される融資会社のうち、公式ホームページに下記の記載があった会社をピックアップしています。
・契約利率(年)の上限が15%まで(~15%と明記されている)
・「保証人の有無」の記載
・「介護報酬担保ローン」プランの記載
(2022年3月7日調査時点)

※1.担保提供者の連帯保証が原則必要。また法人契約の場合は、代表者の連帯保証が原則必要
※2.追加融資の場合は最短即日

「資金化の早さ」で選ぶなら
クレディセゾン

最短2日で資金化
手数料の低さも魅力

クレディセゾン_公式HPキャプチャ
引用元:クレディセゾン
https://factoring.saisoncard.co.jp/care.html
ファクタリングの概要
  • 契約から資金化まで:最短2日
  • 審査通過率:公式HPに記載なし
  • 手数料:0.6%〜
「審査通過率」で選ぶなら
カイポケ

審査通過率99.8%
信用情報も不要

カイポケ_公式HPキャプチャ
引用元:カイポケ
https://ads.kaipoke.biz/factoring.html
ファクタリングの概要
  • 契約から資金化まで:約5営業日後
  • 審査通過率:99.8%
  • 手数料:~0.8%
「手数料の低さ」で選ぶなら
エヌエスパートナーズ

顧客にあわせて
柔軟に手数料を設定

エヌエスパートナーズ_公式HPキャプチャ
引用元:エヌエスパートナーズ
https://nspkk.com/service/kaigo/
ファクタリングの概要
  • 契約から資金化まで:公式HPに記載なし
  • 審査通過率:公式HPに記載なし
  • 手数料:0.25%~

<選出基準>
※公式ホームページに下記の記載があった会社をピックアップしました。
・「介護報酬担保ローン」の記載 ・「融資額」の記載 ・「担保」の記載(介護給付費など)
(2022年3月7日調査時点)