「キャリアアップ助成金 賃金規定等共通化コース」は非正規雇用で働く従業員のキャリアアップや待遇改善を支援するための助成制度であり、人材不足に悩む介護事業者にとっても利用メリットを検討しやすい制度です。このページでは、介護事業者がキャリアアップ助成金 賃金規定等共通化コースを活用する際のポイントを解説します。
※本ページの内容は2023年7月3日時点の情報にもとづいてまとめられています。制度の要件などは不定期に見直されるため、実際の利用に当たっては厚生労働省の公式サイトで最新情報をご確認ください。
キャリアアップ助成金は厚生労働省が管轄している助成金制度であり、パートやアルバイトといった非正規雇用の従業員、あるいは半年や1年といった期間を定めて契約している契約社員などについて、キャリアアップを目指したり労働待遇を改善したりできるようにと設定されました。
介護業界でも慢性的な人材不足が深刻化する中、既存の従業員のキャリアアップや人材育成を行ってスタッフとして成長してもらえれば、従業員本人はもちろん介護施設にとっても将来的なメリットを拡大しやすくなります。
キャリアアップ助成金には複数のコースが用意されており、特に「賃金規定等共通化コース」はあらかじめ労働契約の期間を定められている契約社員や嘱託社員といった「有期雇用労働者」に関連した制度です。
雇用している全ての有期雇用労働者等に関して、正社員と同等の賃金規定等を新たに作成して適用した場合、1事業所あたり最大で「60万円」を助成してもらうことができます。
介護事業においても上記の要件などを満たすことで助成を受けることが可能です。
助成される金額は「令和5年度版キャリアアップ助成金」制度において最大で「60万円」ですが、これは従業員1人あたりでなく「1事業所あたり1回のみ」となっている点に注意してください。なお、最大60万円の助成金を受け取れる事業所は企業規模が「中小企業」に該当する場合であり、大企業として認められる企業規模では支給額が「45万円」となります。
なお、令和5年度版では過去に定められていた生産性向上要件が除外され、受け取れる助成金額の総額も見直されました。
キャリアアップ助成金 賃金規定等共通化コースにおける助成金を受け取るためには、有期雇用労働者の賃金規定や賃金テーブル等について、正規雇用労働者との共通化を行わなければなりません。そのため、現時点で賃金規定や賃金テーブルが存在していない場合、改めて規定等を作成して各従業員の合意を得る必要があります。
なお、キャリアアップ助成金では賃金規定等の区分について、正規雇用労働者と有期雇用労働者に関してそれぞれ3区分以上が必要とされており、そのうち共通する区分が2区分以上必要という点に注意してください。
キャリアアップ助成金 賃金規定等共通化コースでは、助成対象となる労働者や事業所について複数の要件が定められており、それぞれが全ての要件に該当していなければ助成金を申請できません。特に、賃金規定や賃金テーブルを用意していたとしても、共通化した区分の数は十分でなければならず、賃金規定等を共通化した日の前日から起算して「3ヶ月以上前の日から共通化後6ヶ月以上の期間継続」が必要となっていることも重要ポイントです。
つまり賃金規定等を新しく作成しても直ちに申請できるわけでないため、助成金を受けようとする場合は早めに要件を確認して賃金規定等の共通化を実施してください。
賃金規定等共通化の前日までにキャリアアップ計画書を作成し、管轄の労働局長から認定を受けていなければなりません。
必ずキャリアアップ計画書を先に作成して、認定を受けた上で、賃金規定等を共通化するようにしましょう。
賃金規定や賃金テーブルについて、正規雇用労働者と有期雇用労働者ごとに対応する規定(3区分以上)を作成した上で、それぞれの最低2区分以上を共通化させます。
なお、単に規定を作れば良いというわけでなく、賃金規定等を適用するにあたって合理的な条件を労働契約で明示しなければなりません。
賃金規定等の共通化を行った上で、その前日を起点として3ヶ月以上前の時点から雇用している有期雇用労働者が、共通化を行ってから6ヶ月以上継続して雇用した場合において、助成金の支給申請を行えます。
つまり、少なくとも賃金規定等の共通化から6ヶ月間にわたって、介護事業者は従業員へ新しい賃金規定等にもとづいた給料を支払わなければなりません。
なお勤務日数が11日未満の月は月数として加算されない点にも注意が必要です。
キャリアアップ助成金 賃金規定等共通化コースでは、申請可能な期間が限定される点に注意してください。
具体的には、賃金規定等を共通化してから6ヶ月以上が経過し、6ヶ月分の賃金が支給された日の翌日を起点として「2ヶ月以内」が支給申請期間となります。
加えて、そもそも賃金規定等共通化を行った日がキャリアアップ計画の期間内であることも要件です。
そのため、賃金規定等の作成や共通化が遅くなればなるほど助成金を受け取れない可能性も高くなってしまう点を覚えておきましょう。
支給申請に関しては「キャリアアップ助成金支給申請書(様式第3号)」や「賃金規定等共通化コース内訳(様式第三合・別添様式4)」、「支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)」といった申請書類が必要であり、それぞれに記入漏れがなく記載事項も適切でなければなりません。
また、その他にも複数の申請書類や添付書類が求められます。
キャリアアップ助成金 賃金規定等共通化コースは介護事業者が有期雇用労働者の待遇改善を行いやすいよう設けられた制度であり、上手に利用すれば事業者の負担を軽減しながら従業員の労働意欲を高められます。
しかし、助成金を受け取るまでに新しい賃金規定にもとづいて最低でも6ヶ月の給与を支払わなければならず、事業者の負担が先んじて発生することもあるでしょう。
介護報酬担保ローンや介護ファクタリングは資金調達の方法であり、一時的に給与の支払いが増えて資金繰りが難しくなった場合などのリスク回避手段として効果的です。
参照元:(pdf)キャリアアップ助成金のご案内(令和5年度版)(https://www.mhlw.go.jp/content/11910500/001083208.pdf)
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