IT導入補助金は、介護事業者を含めた中小規模等事業者が介護ソフトなどITツールを導入する際に、費用の一部を補助してもらえる制度です。このページではIT導入補助金について解説しています。
なお、このページの情報は2023年9月調査時点の内容にもとづいてまとめられています。補助金の応募要項などは不定期に改訂されるため、実際に利用を検討する時はIT導入補助金ポータルサイトで最新情報をご確認ください
IT導入補助金とは、中小企業や個人事業主といった中小規模等事業者が、ITシステムやITツールなどを導入して業務効率化や事業の生産性向上を目指す際に、ITシステムの導入費用の一部を補助してもらえる制度です。
介護事業者でも、例えば経理業務を効率化するマネジメントシステムを導入したり、スマートデバイスを活用して従業員の業務フローを改善したりといった目的において、IT導入補助金を活用できる可能性があります。
そのため、介護事業者としてITシステムや各種デバイスを導入する際には活用を検討していきたい補助制度といえるでしょう。
IT導入補助金は、ITシステムの導入によって中小規模等事業者の業務効率改善や生産性向上を助ける制度です。そのため、介護事業者としてIT導入補助金を活用できるのは「中小規模等事業者」の範囲に収まる事業規模であることが条件となります。
具体的には以下のような条件があります。なお、以下の条件は一例ですので、実際の申請時には自社が条件に該当するか改めてその時点の応募要項にもとづいてご確認ください。
IT導入補助金には複数の枠が用意されていますが、基本的にはソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、また導入に関連して必要となる経費といった費用が補助対象とされています。
具体的には、様々な管理ソフトやマネジメントシステム、クラウドサービスといったソフトウェアやアプリケーションが対象です。また、パソコンやスマートタブレット、スキャナー、複合機といったハードウェアについても購入費用が補助されることもあります。
申請スケジュールは各年度や枠ごとに募集期間・登録申請期間・交付申請期間などが設定されており、公式サイトとなる「IT導入補助金2023」において定期的にスケジュールが公開されている点に注意してください。そのため、実際には事業主として活用したい枠と時期に応じて確認しなければなりません。
なお、2023年7月31日までの申請と、2023年8月1日以降の申請に関して運営サイトが変更されている点にも要注意です。
2023年度のIT導入補助金に関しては、主として「通常枠」・「セキュリティ対策推進枠」・「デジタル化基盤導入枠」の3枠が設けられており、さらに通常枠は「A類型・B類型」、またデジタル化基盤導入枠は「デジタル化基盤導入類型」といった型が基本設定されています。
また、デジタル化基盤導入枠に関してはさらに、複数の事業主が連携してITツールなどを導入する際に利用できる「複数社連携IT導入類型」と、インボイス制度に対応した受発注機能を有するITツールの導入に対して利用できる「商流一括インボイス対応類型」という2類型が設定されていることもポイントです。
なお、一般的な介護事業者の場合、基本的には通常枠(A類型・B類型)が前提となり、さらに会計管理システムなどを備えた介護ソフトの導入を検討する場合はデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)も候補となり得るでしょう。
通常枠(A類型・B類型)は、IT導入補助金の活用を考える上で最も基本的な枠及び類型となっており、業務のデジタル化や事業のDX化を目指してITツールやソフトウェア、各種システムなどを導入する際に利用できる枠です。
介護事業者を含めて様々な事業者が、自社の課題に合ったITツールの導入に利用できる上、IT導入支援事業者が申請や手続きをサポートします。
補助率はA類型・B類型で共に補助対象となるソフトウェア購入費やクラウド利用料(最大2年分)、その他導入関連経費の1/2となっており、補助上限額はA類型で150万円未満、B類型で450万円以下となっています。
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)は、通常枠(A類型・B類型)で補助対象となる経費区分に加えて、パソコンやスマートタブレット、複合機などのハードウェア購入費用も補助対象として設定されている類型です。
ただし、機能要件として「会計・受発注・決済・EC」のうちいずれか1機能以上もしくは2機能以上を搭載しているといった要件もあります。
ソフトウェアに関して補助率が2区分となっており、導入費用が50万円以下(1機能)までは3/4以内、50万円を超えて350万円までの範囲(2機能)では2/3以内となっています。
ハードウェア購入費用については、補助率1/2以内、補助上限額が10万円です。ただし、レジや券売機といった特定の機器等については補助上限額が20万円まで拡大されます。
デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)は、複数の事業者が連携してITツールの導入や業務のDX化などを目指す際に活用できる類型です。
補助対象となる費用は通常枠(A類型・B類型)と同じですが、補助率や補助額に関しては、デジタル化基盤導入類型の内容に加えて、グループ構成員数などに応じて補助上限額が拡大されます。
その他にも事務費や専門家費といった費用についても一部が補助されます。
デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)は、文字通りインボイス制度の開始に伴って、インボイス制度に対応したITシステムなどの導入に活用できる類型です。
補助対象はインボイス制度に対応した受発注機能を有するITツールであり、かつ発注側の事業者が受注側の事業者に対して、当該ツールを無償で利用させる場合に限られています。そのため、下請け業務などを専門とする受注業者は利用できない点に注意してください。
セキュリティ対策推進枠は、独立行政法人情報処理推進機構が公表している「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」において掲載されているサービスのいずれかを導入して、自社のセキュリティ体制を強化するために活用できる補助枠です。
補助額は5万~100万円で、補助率は1/2以内となっており、対象となる経費についてサービス料の最大2年分となっている点が特徴です。
ICT補助金とは厚生労働省が母体となって、各都道府県に設置されている地域医療介護総合確保基金を活用し、介護事業者のICT化をサポートすることを目的とした補助制度となっています。
なお、ICTとは「Information and Communication Technology:情報通信技術」の頭文字を取った略称であり、インターネットや通信技術を介してコミュニケーションを促進するためのツールの総称です。具体例としては、Web会議システムやメール・チャット、SNSといったオンラインコミュニケーションサービスや関連ツールが挙げられます。
IT導入補助金とICT補助金は重複する部分があるものの、IT導入補助金が業務全般のIT化・DX化などを補助するのに対して、ICT補助金は通信技術を前提としたシステム化を補助している点が違いとなっています。
日報や報告書といった書類も電子書類として提出・管理・共有できます。また、施設利用者や要介護者・要支援者について、特別な情報や注意事項がある場合も、オンラインのデータベースで情報をまとめておけば業務前にチェックしやすくなるでしょう。
マニュアルを電子データで作成して保存することで、複数の事業拠点でも速やかに業務フローを共有できる上、新人育成などにも有効利用できます。
介護施設を利用する要介護者や要支援者、またその家族に対して、必要な情報をオンラインで速やかに送信・共有できることも重要です。リアルタイムの情報共有が実現できる上、スマートフォンやパソコンといったオンラインシステムへアクセスできる環境さえあれば、利用者が好きな場所から好きなタイミングで情報を閲覧して確認できる利便性も見逃せません。
また、利用者からの要望や連絡事項を事業所へ伝達しやすくなることもメリットです。
経理業務や消耗品の受発注業務など、事業者として必要になる様々な基幹業務についてもITツールを導入することで効率化することができます。
また、各種業務をスムーズに行えるようになるだけでなく、作業の属人性を解消して担当者の負担を軽減できる上、生じた余裕を活かして人材マネジメントを見直して適材適所の人材活用を合理化できることも重要です。
介護スタッフの勤怠管理をシステム化することで、出勤簿やタイムカードといった紙ベースの書類や作業からペーパーレス環境へ移行することができます。クラウドでデータを一元管理することで勤怠状況を速やかにチェックできる上、複数の事業所や営業拠点などを有する場合、グループに所属する全ての従業員について管理効率を向上させることが可能です。
また経理システムと連携させれば、給与計算なども効率化できます。
給食や食事を提供している介護施設の場合、献立作成や栄養管理といった業務も重要です。
専用システムを活用することで、献立作成や食数管理、栄養管理の情報を事業所間や担当職員同士で共有しやすくなる上、スケジュール管理についても正確性を高めることができます。
受発注機能や決済機能などを搭載したシステムと連携させれば、食材や食品の購入に関してコスト管理や予実管理を適正化するためにも活用できるでしょう。
IT導入補助金はITツールを活用して業務効率化を促進する上で魅力的な補助金ですが、実際に補助金を受け取るためには先に費用を使って対象システムなどを導入しなければならない点がネックです。
そのため、運用資金の余裕や現金が不足している場合、介護報酬担保リーンや介護ファクタリングといった資金調達の手段を活用して、効果的なIT導入補助金活用プランをシミュレーションしていくことも有効です。
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