DXとは、「Digital Transformation(デジタル トランスフォーメーション)」の略で、デジタル技術の導入によってビジネスの効率化や省人化を図りし、企業価値をより一層高めるための取り組みです。
最近、どの業界においてもよく耳にするようになったDX。介護事業にも取り入れることはできるのでしょうか。
結論から言うと、介護事業にもDXを取り入れることは可能です。記録ソフトや電子カルテを取り入れることで記録作成にかかる時間を大幅に短縮できますし、記録したデータをクラウド化すればチーム間での共有も容易です。
コミュニケーションアプリを使えば、現場にいるスタッフと事業所内のスタッフとの連絡や情報共有もスムーズになるでしょう。ビデオ通話ツールを活用すれば、オンライン診療の診療補助にも対応できるようになります。
このように、介護事業における多くの場面でDXを活用できるため、すでに多くの事業所が取り組みはじめています。
クラウド型の記録ソフトや電子カルテと連動したタブレットやスマートフォンなどを導入すれば、出先や営業先でも記録の作成やスタッフ間の情報共有をリアルタイムに行えます。スタッフが事業所へ戻って記録作業をしなくても済むので、訪問介護では訪問可能な件数が増えて、事業所の売上アップにもつながります。
介護請求ソフトや記録ソフトなどを用いると、紙やエクセルベースの書類と比べて請求業務や記録作成の時間を大幅に削減できます。
事務作業を一元的に管理できるツールにまとめれば、さらなる作業の効率化が可能です。スタッフの業務負荷軽減にもつながります。
特に、訪問介護の場面では介護用のアシストスーツに注目が高まっています。いつもより少ない力と負担で利用者の移乗や体位変換ができるようになり、身体的負担を軽減できます。業務上、腰痛に悩むスタッフの多い介護業界ですが、積極的なDX化によって離職防止につながる可能性もあります。
事業所の書類作成など、事務作業にかかっていた時間をDXで削減できるため、研修や勉強会など、人員育成のために時間を割り当てられるようになります。利用者の情報をすぐにスタッフ間で共有できるようになり、柔軟な対応ができる体制も築けます。これにより、事業所が提供するスタッフやサービスの質の向上に寄与するでしょう。
DXを進めると、2024年4月から介護施設や介護事業所で策定が義務化されたBCP(業務継続計画)にも対応できるようになります。利用者の個人情報や記録データをクラウド上にアップしておくことで、災害時や緊急時にもサービス提供に必要な情報を得られるようになります。
ITに関する知識やスキルを持つ人材は社会全体で不足しています。中でも介護業界にはデジタル技術に関する知識に長けている人材が少ないため、「DXに興味はあるけれど何を取り入れれば良いか分からない」と、足踏みをしている事業所も少なくありません。
まずはスタッフの勤怠管理やコミュニケーションツールなど、導入しやすい部分からDX化していきましょう。ITに慣れている若いスタッフやPCの操作などに詳しいスタッフに使い方を覚えてもらい、教え合っていける環境をつくっていくことが大切です。
とにかく便利になれば良いからと言って、やみくもにITツールを導入すれば良いわけではありません。新しいツールやシステムを導入するには当然コストがかかりますし、システムを導入しても、それをスタッフがすぐに使いこなせるとは限らないからです。
導入したいシステムが業務課題の何を解決するのか、目的を明確にした上で導入を検討しましょう。
勤怠管理や電子カルテなど、既存業務システムのDX化によって負担軽減は実感できても、どれほど費用対効果が出ているかを測ることは容易ではありません。特に、サービスの質や利用者の満足度などは数字として見えにくいためです。
実際、費用対効果を実感できないために、システムがなかなか定着しない現場もあります。DXは成果が上がるまでに時間がかかる、費用対効果は可視化しにくいことを理解した上で、長期的な視点で取り組む姿勢が大切です。
介護の記録や申し送り書などの記録作成を作成できる介護システムを、タブレットやスマートフォンなどの端末と連携することで現場や離れた場所からも直接入力できるようになります。紙ベースではなくシステム上で行えば、書類の印刷代や書類管理にかかるコスト、管理場所の削減にもつながります。
利用者の入浴や移乗、体位変換など、力仕事が求められる介護現場では、従業員に体力的な負担が多くかかります。このような現場で取り入れられているのが介護ロボットです。
入浴を補助するロボットや身体能力を補助するマッスルスーツを導入することによって、入浴介助や持ち運びなどの業務負担軽減につながります。
体力的負担を軽減できる理由から、スタッフの離職防止にもつながります。
シフト管理やタスク管理、コミュニケーション機能などを備えたグループウェアを導入すれば、離れた従業員同士がリアルタイムで情報伝達やデータ共有を行えるようになります。共通の進捗管理やスケジュールを利用すれば、業務をスムーズに進められるでしょう。
口頭による伝達だけでは漏れや誤解が生じていた現場も、スタッフ同士のやり取りを残せるためログを後から確認できます。これらは現場におけるミスやトラブル防止にもつながります。
介護事業所を含む中小企業や小規模事業者等の生産性向上のために、業務効率化やDXに向けた ITツール(ソフトウェア・サービス)を導入する企業に対して支援する補助金です。
事前に事務局の審査を受けたITツールを導入する際、IT導入補助金事務局に登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組んで申請すれば補助金が交付されます。
介護業界の業務改善や効率化等を進め、介護現場の生産性向上を推進するために、介護ロボットやICT(介護ソフト、タブレット端末、インカム、クラウドサービスなど)を導入する介護事業所に対して交付される補助金です。介護ロボットは上限100万円、ICTは事業所の規模に応じて100万~260万円が補助されます。
地域の介護事業におけるデータ共有システムの構築と業務効率化の推進、地域の関係機関の情報共有・連携強化、認知症の人やその家族を含めた包括的な支援等を図ることを目的に行う制度です。各市町村の地域包括支援センターが取り組んだICT化に対して補助金が支給されます。
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